抽斗の釘

小説、散文、文章、短編

2022-04-10から1日間の記事一覧

満開

この日、四月一日は入社式で、美桜はその会場へと向かっていた。 東大路通りを北へ歩く。そして度々、苦々しい瞳を青空へ向けた。もたないと思っていた桜は、ちょうどこの時に絶頂を迎えていた。 美桜が桜を疎ましく思うのは、群衆を思うのに近かった。断り…