抽斗の釘

小説、散文、文章、短編

2022-05-27から1日間の記事一覧

蜂の飛行高度

蜂が背から、耳の縁を通っていく。 そのたびに僕は首を縮めて、目の横に映った黒い影が遠くへ行くのを見届ける。 その間ひと時暑さを忘れ、そして次第に彼らを憎む。 それは毎年のように経験することだった。 ──虫の飛行する音が今でも苦手だ。 とりわけ甲虫…